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2009年6月 9日 (火)

「佐伯祐三展」~北海道立近代美術館

  佐伯祐三の展覧会は、たぶん30年ぶりだと思います。

  今回は没後80年というから、区切りの50年の時に観たのかもしれません。

  その頃一番好きな画家でもあったし、それは絵も好きということで。

  パリの街角や、カフェの建物。ポスターや看板の描き方・・・

  特に正面から壁を描いた絵が好みで、

  質感と色彩、力強い線と繊細な線の表現に惹かれていました。

  そんな影響も受けて、自分でもどこかの壁を描いたりしました。

           

     覚えのある絵の前では、懐かしく。

     初めて見る絵は、嬉しく。

               

  改めて年譜や解説を読むと、

  以前とは違った角度から、彼の人生と作品を感じました。

  あの時代、パリに渡り巨匠のヴラマンクに「アカデミック!」と怒声を浴びた経験。

  その一言がどんなに彼の人生に影響を及ぼしたか・・・。

  苦悩して独自の作風を模索していった経過が絵に表れています。

  特にその直後に描いた自画像は、

  顔を塗りつぶしパレットを持つ手も下げられて絶望感が漂います。 

  それから30歳で生涯を閉じるまで、精力的に絵を描いています。

  

  遺作となった2つの作品が、一番自信のある絵だそうです。

  それは大きく扉が描かれた絵でした。

  黒く閉ざされたこの扉は、それまでの心の情景と重なります。

  その絵が気に入っているという事は、

  扉を開けて彼なりの答えを見つけたのでしょう。

        

      自作を「この絵は純粋か?」と、常に友人に問いかけていたという。

      最期は精神も不安定になり、食事も受け付けなくなっていった。

      激しい情熱と純粋な魂。

            

      扉の向こうに彼が消えてしまっても、人々にいつまでも愛される絵は、

          確かに、純粋だからでしょう。

                                             

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